「ババドック~暗闇の魔物~」あらすじ&感想
|2014年作品・監督: ジェニファー・ケント
夫を悲惨な事故で失ったシングルマザーのアメリアは、一人息子のサミュエルと共に暮らしていた。サミュエルは学校でしばしば暴力的な行動を起こす問題児。
言うことを聞かない息子に手を焼き、アメリアは疲れ果てていた。一方、サミュエルは、母親の読み聞かせで眠りにつくのが習慣で、その日はアメリアの知らない一冊の本を取り出し、彼女に読んで欲しいとせがむが…。
Another awesome UK poster creeps onto the interwebs… #TheBabadook @IconFilm http://t.co/psLA60HBZS pic.twitter.com/DZcCcTm1A2
— The Babadook (@TheBabadook) 2014, 9月 30
まず夫を亡くした一人の女性、昔はライターを目指していたんだけど今は老人の福祉施設で働いて、息子はかわいいんだけど結構な発達障害っぷりを発揮。
頼りにしていた妹だけど、息子が妹の娘(従妹)ともめてケガさせちゃったりしてもう息子を預けられる状況で無くなったり、ババドックの本を怖がった息子が問題を起こし、学校にも理解を得られなくて転校させようとしたり、そんな心身ともに疲労困憊している状況なので、仕事でもミスしたり寝坊したりしてしまって休むことに…
このババドックの本がもしなかったとしても、十分に働く母さんの疲労困憊ぶりが身につまされて身につまされて、ホラーとしてと言うより気の毒すぎて泣けてしまった。
母さんは息子の事を愛しているけど、彼の行動が自分を疲労させていることの怒りみたいな感情をどこにもぶつけようがない、本当に苦しい状況で、どんどん家事もできなくなって何もできなくなってついには息子に暴言を吐いてしまって…というのは身近にあるリアルな描き方でとにかく身につまされてしまった。
そこにババドックを想起させる怪物であったり、幻覚のようなものが見えてきて…怖い。虫が嫌いなのでそこは目を開けていられなかった。
しかし肝なのは、この息子が問題を起こしながらもひたすらに母さんを守りたい、愛している、と言う所。
彼なりにババドックから豹変した母さんを守ろうとなんとか頑張ろうとする所が泣けてしまう。
そして最後はそういった問題を抱えていながらも生きていくんだ、という決意というか前向きなものが感じられて怖かったけど見てよかったな!と思わされる作品でした。